人気ブログランキング | 話題のタグを見る

スティルライフ, I follow the sun

nodakruco.exblog.jp
ブログトップ

セレストブルー

■ 2005/05/10 Tue 「セレストブルー」

セレストブルーはほんとうのところ未開封の音源なので
音を知らない、
ことばを知らない、
生のことをがつんとすっとばしたまま
背景情報を漁るのはなんだかウツクシクナイような気がして
余り得意ではないのだけれど

ニュース23で特集を組むというので
ふらり夜中にテレビをつけて、ふらりふらり見る
見るのみである。

こっこからの贈りもの。

要するに昨年夏に出版された絵本「南の島の恋の歌」の
購入特典だったCDに収録されていた音楽、セレストブルーについて
トランスジェンダーのひとりの女の子がその曲をつくるきっかけに
なったのだということ、そのひと、心音(こころ)さんとその家族のお話。

トランスについては思うところもある
けど、脱線するとかぎりなくもとに戻ってこられないから
それはまた別の機会に。
(と言うか……あの特集はあまりトランスジェンダーのことには
触れられていないように感じたのでなんだかこれでいいのかなって
少し思いました、、、性を越えてというサブタイトルほどでなくて)

こっこって少しでかいと思う……ああ、器が。
たとえばこんな想起。
届くファンレターへの困惑
自閉症の子のお母さんとかから来るわけよ、うちの子のために歌ってくださいとか
あっちゃんはそういうのひとつひとつに応えられない、と
彼女は5年くらい前に言っていた。
そういう場所から歩いてやってきたんだなあという
ひとつの感慨に近い。だから「でかいな」と思う。

Cocco(28)とテロップに白地で抜かれたとき
ああそんなところまで来たのかということにどきっとしたりした。
沖縄を飛び出してから10年も過ぎてしまったらしい。
変わるにも大きくなるにも十分すぎる時間。

たぶんこのひとにできることというのは究極的にはうたうことだけだから
だからきっともう
歌うだけなんだろうなと、思う。
控え室でけたけた笑いながら心音さんのお母さんと抱擁してた
その笑い顔でなんとなく思う。

真顔で語れないことも叫べないこともきっとうたうのだ。

アーティストというのは
なにができるかというと
つくることだけだよなあ、とたまに感じる
それに満足して自分を続けていけるかというと
そうでもない。絶対、と言いたいけど
アイデンティティなんてゆらぎまくると思う。
そのゆらぎが逆に礼讃されたりするので
一概にダメなものではないんだけれど
とにかく、
行き詰まらないで最後までいけたらアンタ凄いよって、それは天才かなと思う。

なんちゅうかこのひとは齢28にして
あっちゃんはただ歌うだけ、と言う。
以前、カメラの前から姿を消す前に
うたうたい、と自分のことを名乗ったことばに
このひとはすごく忠実に生きているのかも知れないと思った。
ことばに忠実というよりは
吐き出したことばが、彼女というひとにとても忠実だったんだろう。

ものつくりのきれはしのあたしから
うたうたいのあのひとに思う。

あたしなんかつくってみるわ。
by stelaro | 2005-05-10 00:46 | arts+music