■ 2005/05/02 Mon 0:32 「未だ手にしていないものがたり」
雨が降っています、
雨です、
水のにおいが近づいてきていたのできっと雨だと
目をさました夕方あたりからぼんやり
考えていたのですが。
しとりしとりぽしゃぽしゃぽしゃ
ふる雨なので。
今手元にのこっている支払い関係、をぜんぶなくしたら
(そうしてそれは明日にぜんぶなくなる予定、ああ生活観のなさ)
本を買おうと思うのです。
パンプルムセ、
嘘。
パンプルムース。
えくにかおり+いわさきちひろというとんでもない組み合わせの詩集絵本は
日曜日の朝刊の出版者広告にて以前に知ったもの。
グレープフルーツのことをこう呼ぶことはひっそり知っていた
たぶんそれは
いつかの夏に届いたいただきものの水菓子のつめあわせのなかの
ゼリーのイラストで知ったのではなかったかと思う。
手のひらにちょうど乗せられるくらいの、少しひらべったく
金色のふちどりのされて色褪せたような黄色のくだものの絵。
パンプルムッセ、と
外国語のよくわからない私はそう読んだ。
パンプルムース。
それからついでに「Tea spoon」、
ジェーンマープル20周年に合わせて編集したという話の、一部巷で噂の本。
見たかぎりでは雑誌なのかなとも思うのだけれど、
ショップにもう長いこと行っていないので詳しいことはよく判らない。
(ああ、このあいだ店員さんに聞いてみればよかったね、、、なんて、Aさんへ私信)
(>追記、雑誌「Spoon」のムック本のようです)
素敵な本はせかいにあふれていると思う
それだから私は図書館を愛していて
書店にゆけば途方に暮れる。
めくっていったら連綿と広大なものがたりのひろがって
一大叙事詩、はいつもそこにあるという麻薬みたいな本がたくさん。
一方、ひそやかに
ふと手にとって適当にページをひらいて
そこだけをのどが痛いときのあめみたいにひっそり齧る。
そんな本もたくさん。
伊藤尚美さんのつくるものはかなり長いこと憧れてきた気がする、
憧れてみるものはまず手にとるまでに長いことかかり
自分の中でちょっとした運命的タイミングを必要とする
郵便ポストから投函してもらった一冊めは
昨日わたしのもとにやってきて、たぶん
最初から最後までいっぺんに読み通されることのない本だ。
けれど、本棚にふっと並んでいたらたぶん
いつか夜の水差しや昼間のおやつになるようなページのくりかえされた
そんなたぐいの本だと思う。
むだなものは潤い。
今日の本:
「
パンプルムース!」江國香織+いわさきちひろ、講談社、2005年2月
「
tea spoon Picnic style in Tokyo Jane Marple 20」プレビジョン、2005年4月
「
コットンのような優しい暮らし」伊藤尚美、PHP研究所、2004年3月