スティルライフ, I follow the sun

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みじかうた:馴染まないかたち

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「 失 せ も の さ が し 」



ぎこちない指ひろげたなら碧硝子かすかにすける「たすけて」のきず


天窓をぱりぱりと打つ音を聞きいまのわたしは雨を知ります


いつまでもくりかえし続く電子音きみの寝息と奏でるトレモロ



「 オ ワ リ ハ ジ マ リ 」



しろいしろい壁はすあしにざらついてジュテでとびだす小鳥であれば


みぎうでを瞼にのせてくらやみの金平糖のにじんでゆがむ



皐月、12〜夜と朝のあいだ、ma.i
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# by stelaro | 2014-05-13 04:18 | コトノハ:呟

あしたのきみへ

「 芽 吹 き 夢 」



まっしろになりたかった
ほんとうは
まっしろで、いたかった

いつも。

ただ、もいちど、
あなたに会えたなら

いきてゆくのがとくいではないぼくと
きみは語ることばをもてるだろうか

はしゃぐではなく
そらとぼけるでなく
虚勢もはらって
ほかの、ぼくが
ぼくじしんがつくりだしたどの「ぼく」にも
なってしまうことはなく

この目で
この腕で
なにもまとわない声で
きみに

こころにおもうことをことばに
からだごと、まっすぐに
淡くつよくひかる流星の一瞬

鶴を、折ろう
汚れないしろい紙でひとおりひとおり
指先とてのひらをあたためながら
いのちをなぜ吹くように

この部屋の床がみえなくなるまで
みえなくなっても

さびしいとかむなしいとか絶望とか
そんなものたちを感じなくてすむまでに
きみのなかから追い出せるまでに
夜のなかもほのかなあかりが照らすよう
月に気づかなくても
すすけたそらに星が
かくされたとしても

鶴を、折りたい
まっしろな鶴のねがいを
きみがいるだけ
こころの隅にのこるだけ

………。

むげんのましろな紙の羽がいつかいっせいにはばたく、そのときを
いっしょに見よう
しっかりと、手を、つないで
あの朝とおなじ色のそらを見上げて

ながい、ながい時間の果てで

いつか



皐月、檸檬の夜、ma.i
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# by stelaro | 2014-05-03 01:57 | コトノハ:呟

「碧水」

「 雫 め ぐ り 」



トタン屋根におちる、ばらっばらとだだだ

繁ったゴーヤの葉に吸はれる、さわさわさわ

コンクリにアスファルトに、ぷつぶつぱちぱち

みずのたまりへぴたぴちゃぴたぴちゃ

ぴしゃっざざざざわざざざ

じゃあ
ねえきみ

大海原をよこぎる雨雲

太古の火口にふりそそいだ豪雨

乾いたさばくにおとずれる雨季のさいしょのひとしずく

それらはいったいぼくたちの
耳になにをささやくだろう


まなうらにおもいうかべる光景

こころを耳をすませてさぐる



いつかいつかぼくたちは、それら水の奏でる風景を

おもえる日がくるのだろうか

気がつけば知らない無音かさえもこの耳に

まぼろしのように消えている


例えばいちめんの砂のうみにふる水のおんがく



ma.i
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# by stelaro | 2014-04-30 04:51 | コトノハ:呟

みじかうた:意地っ張りピエロ

「 砂 の 時 計 」



するするとつかむまもなくきえてゆく
ちいさな「時」のプールがのこる


カガクテキセイブン、がめぐる血のなかで
みぎひたりうろつく胸のざわざわ


きょうの陽もさようならとか言えなくて
おいてけぼりがもひとつつのる



「 も し か し て 」



触れたいなわらってみたいな泣きたいな
いつまでつづくきみへの線路


いきてゆく息をつづけるそのことが
曖昧に溶けるビーカーを抱く


かなわない恋をあしたの杖にして
ひとりどこまでつづけてゆける



………ねえきみ、げんきかい
このせかいを、みているかい

たとえばそれは、さみどりの銀杏の若葉だ
明るすぎる空にけんめいにひかる赤い星だ



卯月、花水木うすく咲くころ
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# by stelaro | 2014-04-17 03:43 | コトノハ:呟

みじかうた:おりたたまれた日々


「 月、さざなみ 」



くちかけたゆきうさぎいろの天窓にまた今朝もとまる音もなく烏



熱おびてねむりをとめる耳朶つまみただぽっかりと朝のしらじら



三百と六十五にちをいきのびたぼくために折ろうかましろな鶴を



「 時折 」



ひだりてにおもいわっかをとったとてあなたに会えない自由を得るだけ



ねえ恋をしているのとかいちどくらい尋ねあってもよかったですね



くらがりの隅にそうっと臥せたからかたちはいつまでたもってしまう



2013.12.22、ma.i
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# by stelaro | 2013-12-22 07:28 | コトノハ:呟

みじかうた、やみグラフ




乗車率80%の夜電車わたしはどこへゆくのでしょうか



やわらかなベーグル噛みつき咀嚼する甘酸っぱさがぜんぶになりたい



三冬月、とお
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# by stelaro | 2013-12-10 18:01 | コトノハ:呟