スティルライフ, I follow the sun

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「問題のない私たち」

■ 2006/11/30 Thu 「問題のない私たち」

画面をちらりと覗いた家人が、暗い話が好きだね、と、言った。

暗いかね。
暗いかな。

女子高生(または「こどもたち」)のリアル、を
知っているような知らないような見たくないような
または、テレビの向こう週刊誌の中のトピックスにしておきたい人には
きっと、これらは暗い話なのだ。
または、とてもあかるくてあたたかな10代を送ったか
全部を忘れることに成功した大人にとっては。

映像で描かれるリンチ、とかビジュアル的にカゲキなかたちをとらなくとも
ああこういうことがあったよと思う私には
暗い、の前に、ほんとだ、がくるから
断片的にはさまれる夏の青い空が自分の記憶とだぶっちゃったりして
すでになかば既視感に近かったりして。

……そういうのも、そもそも、暗いですか。(苦笑)

女の子ばかりの学校の1クラス、の中の
ひとりの女の子の春から秋を描いた話、
……なんて言ったらもうそれはとても
無邪気で陰湿で暗くてかわいい、でしょう?

あなたはこのリアルをじぶんのなかに
見つけることが、できますか。
あるいは、もう消化しましたか、それとも
知らずにここまで生きてきましたか。
忘れましたか。

わたしはぐしゃぐしゃに歪んだ青空と流れる雲のなかに
それを、凝り固まった核みたいにとじこめていて持っている。
マイナスでもプラスでもなく
ただ、その核はきれいにできた塩の結晶のように四角くとがっていて
そして目が痛くなるくらい、白いのだ。

悪態に満ちた手紙も
この長すぎる髪を切られそうになったことも
だれも誰も信じなかったことも
大人は見ているだけで見てはいないと知ったことも。
私には、この映画の主人公のように、助言をしてくれるまりあはいなかったので
仕方ないから一人で学んだ
自分がしたいろんなことはバカバカしいということも。
そうして、そのバカバカしいことを
二十歳になろうともくりかえすバカバカしい人がせかいにはちゃんと
たくさんたくさん、いることも

みんなみんな知っていて
知ってみても特に変わらず

死ぬ勇気なんてありえないし生きる勇気もいらない
そんなタイギメイブン、よりも
死なないでいる息の長さみたいなものが大事なような気がする
ひっそりと、ふかく長く、息を吸って、吐く、こと。
心臓を動かすこと。
そうしないと
たとえば10年後に笑うことはできないので。

シビアであかるくて砂糖菓子みたいで過酷な
それは10代の「こどもたち」の、毎日だったし
毎日なのだと、思う。
どんなちいさなカケラにもひそむ、とがった角と、あかるい側面。
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by stelaro | 2006-11-30 00:38 | コトノハ:cinema

水の藍

ぽっかりと
おともなしに眼をあけたなら
それは雨のふりそぼる日曜日
ぽしゃりぽしゃり
さらりさらりさら
すらすらと灰色の光彩からおともなく
こぼれてやまない水しずくを
大地が受けて

紅いすそがぬれていく
裸足の足を守るように
ざくりと踏みわられた浜のすな、いつか
だれかきみのからだであった
しろき、かけら
そしてわたしをうけとめる
灰色のこのそらの教会で

めをひらいたときのかたちをたもち、わたしはあなたにとつごうと

海とそらのあいだを
たましいだけ
ただよっていく
細い雨つよい雨あれくるう雨
やさしい雨
すべてを受けてすべてを飲んだ
この
しろいほねのいきつく浜辺で

傷痕はあなたがのこしたキスの混沌
わたしはみつめる
にどとかえらない腕のなかの
まるくやわらかな空を
だきしめてそらへ
放てないぬくもりを
ただ、せかいのあらゆる雨のあつまったこの
碧い海辺で
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by stelaro | 2006-11-27 03:36 | コトノハ:呟

海に空に、恋。

ふと見つけた、
なんとなく向こうから舞い込んでくるのね、
恋焦がれているものは。

「8・15 OKINAWA Cocco」
http://www.bk1.co.jp/product/2729765/p-stelaro/

沖縄のあの、8月のステージの写真集。
わたしがみていたところで、
見届けられなかったところで、
何が起きていたのだろう何が揺さぶられ躍り
うずまいていたのだろう
そこにいたけれど
手には触れられなかった近くで

……クリスマスプレゼント、かな。
ちょうど割引クーポンがメールで届いていたから
予約してしまったよ。
なにも考える先に、ただそれはおそらく
あたしがあたしであるから

笑顔が光っていた、
島だった。
しめった下草、
あかい花の咲くところ。

……かえりたいかもわからない。

くりかえし
つめたい闇にシリウスをさがすように
旅の先でふかく息をすうように
きみと見たあの花の色を忘れがたいように

ただ、恋しい。
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by stelaro | 2006-11-17 02:19 | 点景、スロウデイズ、紅茶時間

花の名前

■ 2006/11/13 Mon 「花の名前」

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 「あなたが薔薇色というなまえを持たなくても
  わたしがあなたに抱く思いは、おなじだったとは思えない」

写真をとるようになってから、はじめて
それぞれのうつくしさに気がついたような気がする、

それまでは遠くで指をくわえてみていた、
この、派手なあかるさと濃い香りを、わたしはたぶん、とても苦手だった。

むきあえましたか。

むきあえましたね。
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by stelaro | 2006-11-13 22:23 | フォトノヲト

ザンサイアンツアー

■ 2006/11/05 Sun 「ザンサイアンツアー」

冬になりかけの今で、
庭のゴーヤも8割方枯れて、
でも、まだ晴れたひるまはぽかぽかの陽気で陽射しがあつく
すこしだけ外を歩いた日。

録画してあった、こっこの、ザンサイアンツアー、
武道館の映像を、見ました。

前日の衛星でやった90分の放送は録画失敗しました……(泣)
だから、流したのは、地上波でやった45分の縮小版。
みじかいみじかい、ライブのかけら。

……でもまるでこの暮れかけた寒さのなかで
沖縄を思い出して酔っぱらったみたいに、なってしまった。
どうあってもこのひとはまだわたしには特別だあ、、、
ぐらぐらする頭で、そんなことを思った。
一曲でパンチ、三曲でトリップ、
あとはもうただ、ジェットコースター、毒薬みたいな
甘くてつらくてみずみずしすぎて、離れられない。
とめられない。

沖縄のあの夜の、草の上でみた音、とのちがいを
ひどく感じました、映像のなかの、このライトで満ち満ちた
うた、うた、うたに。
沖縄できっとよかったんだろうなと今更ながら思い
おぼろげな記憶を糸みたいにたどって
それは、悲しいことに切れているんだけど、でもたどって。

もっと、ゆるやかだった。
もっと、ハッピーだった。
海のそばで、暗い夜で、虫なんか跳ねてて
あたしは裸足で。
買い込んだ写真集なみのパンフレットとTシャツを入れたかばんを
自分の脇におきっぱなしで、今にもぶったおれそうになりながら
事実ぶったおれながら、聴いていたあの空間は……

泣くかわりにめちゃめちゃ笑っていた。

沖縄だったんだよなあ、とか
トウキョウでおこなわれたこのきらきらひかるビジョンを前にして
今更ながらわたしが思っているのです。
まだ、傷だらけの腕をしてお守りを抱きしめて
それもときどき失くして、飢えて、血を舐めて
空を睨んで、なににも怯えて

あかい花の散ったドレスで飛び跳ねながら
気をつけて帰れやーーー!、と
満開の笑顔で送り出されてかえってきました、このトウキョウで。

わたしは生きています。
まだ、生きています。
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by stelaro | 2006-11-05 17:03 | arts+music

「トンマッコルへようこそ」

■ 2006/11/04 Sat 「トンマッコルへようこそ」

最近気がつくと韓国映画ばかりみているかもしれない、
あるいは、アジア。
出会ったところや拾ってくるところは思い出せないけれども。
なぜか、センサーに絡みついてはなれないものたち。

ふかい映画です。
それは、奥が深い、というよりも
ただあらゆる要素がこのなかにつまっていて
ほほえみとかユーモアとか怒りとかかなしみとか
悪い夢もぬくもりもなつかしさも血も恨みも
めくってもめくっても次々にあらわれて
そうして、まるごとひとつのかたちを成して、ずしりとこころにぶつかる。
ここにいる、わたくしに、ぶつかる。
……たとえば、そういう、ふかさです。

ものすごくきびしい映画です。
かなしみの映画です。
それをつつみこんで、あかるい色とふわりとした花とみどりと
なにより素朴すぎて笑顔になっちゃうしかない、ひとびとの顔とことばとが
暗さを暗さだけで終わらせず
きびしさに眉根を寄せさせないだけの力を
もっているんだなあ、これが。

……と、ことばにするとつまんないね。

誰かの人生を深くまでいっぱい見てきてしまったよな、
出てきた誰かを本気で好きになりかけちゃったよな、
そんな、手で触れそうな想いを
じぶんのなかに、見ました。
くらくらするくらいに。

草すべりのシーンがとても好き、
そのあとに続くよみがえりの悪夢の光景までも、含んで。
あおい空の下で、過去の悪夢はおだやかにひろがり
今につづいているのでしょう。
それと同じように、
赤くもえひろがる炎や殺風景な瓦礫のなかで
やさしい思いはいつまでも、あたたかく息をしているのでしょう。

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by stelaro | 2006-11-04 21:15 | コトノハ:cinema