スティルライフ, I follow the sun

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カテゴリ:コトノハ:cinema( 62 )

鑑賞メーター:2010年5月キロク。

■ 2010/06/01

2010年5月月の鑑賞メーター
観た本数:7本
観た時間:811分

■20世紀少年 <最終章> ぼくらの旗 通常版 [DVD]
鑑賞日:05月02日 監督:堤幸彦
http://video.akahoshitakuya.com/v/B002XTKB6Y

■ハリーとトント [DVD]
鑑賞日:05月10日 監督:ポール・マザースキー
http://video.akahoshitakuya.com/v/B001O4MD0Q

 and TONTO !!
 長いこと暮らしたアパートを追い出され旅に出る羽目となり…
 その旅がすすむにつれて、どんどん開放(もしくは派手?)になっていく
 ハリーおじいちゃんが、かっこよくてほほえましいのだ。
 出会う人が、正直いろいろ変な人ばかりなのだけれども
 それを、そういうやつもいるんだろう、で済ませて
 てくてく、中に入っていっちゃう。
 この父に振り回されるマジメな長男には、同情します。
 ただし、笑いながらね。

■ツォツィ スタンダード・エディション [DVD]
鑑賞日:05月13日 監督:ギャヴィン・フッド
http://video.akahoshitakuya.com/v/B0026OBVCE

 最後の5分間、息ができなかった。
 目をそらせなかった。
 偶然に「誘拐」してしまった赤ちゃんが、彼にとって
 希望や、あたたかいものや、笑顔や、
 それらすべてにつながる、はじめてのものだったことを。
 兄弟と呼ばれて、彼の中にわきあがった思いはどんなだったろう。
 ツォツィ=不良。
 そんな通り名でしか誰も彼を呼ばなかったのに。

■夢のチョコレート工場 [DVD]
鑑賞日:05月14日 監督:メル・スチュアート
http://video.akahoshitakuya.com/v/B00005QWS6

■リリィ、はちみつ色の秘密 (特別編) [DVD]
鑑賞日:05月23日 監督:ジーナ・プリンス=バイスウッド
http://video.akahoshitakuya.com/v/B002DUH7II

 ティーンエイジャーになったダコダ・ファニングが(たぶん)主演、
 誰にも知らず痛めつけられたまま大きくなった彼女を
 つつみこむ、養蜂家を営む黒人女性の、大きさとすばらしさ。
 それから、姉妹たちのユーモア!
 描かれる、黒人と白人の差別に言葉をなくしながら
 (ああ、あたしはほんとに無知だ)
 けれど、たくさん、たくさんの惜しみないあたたかさと強さ。

■陰日向に咲く 通常版 [DVD]
鑑賞日:05月28日 監督:平川雄一朗
http://video.akahoshitakuya.com/v/B0017T3PY6

■グース [DVD]
鑑賞日:05月29日 監督:キャロル・バラード
http://video.akahoshitakuya.com/v/B000NO281C

 少女とそのグースと、
 そして彼女たちを取り巻くちょっとばかり(大いに?)常識から外れた、
 変わり者のおとなたちの、なんてすてきなことだろう。
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by stelaro | 2010-06-01 13:29 | コトノハ:cinema

鑑賞メーター:12月キロク。

12月の鑑賞メーター
観た本数:9本
観た時間:1047分

もののけ姫 [DVD]もののけ姫 [DVD]
鑑賞日:12月05日 監督:宮崎駿
紅の豚 [DVD]紅の豚 [DVD]
鑑賞日:12月08日 監督:宮崎駿
HERO スタンダード・エディション [DVD]HERO スタンダード・エディション [DVD]
鑑賞日:12月12日 監督:鈴木雅之
マルタのやさしい刺繍 [DVD]マルタのやさしい刺繍 [DVD]
鑑賞日:12月12日 監督:ベティナ・オベルリ
K-20 怪人二十面相・伝 通常版 [DVD]K-20 怪人二十面相・伝 通常版 [DVD]
鑑賞日:12月15日 監督:佐藤嗣麻子
旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ スペシャル・エディション [DVD]旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ スペシャル・エディション [DVD]
鑑賞日:12月16日 監督:マキノ雅彦
劇場版 幼獣マメシバ DVD劇場版 幼獣マメシバ DVD
鑑賞日:12月20日 監督:
ニューヨークの恋人 [DVD]ニューヨークの恋人 [DVD]
鑑賞日:12月22日 監督:ジェームズ・マンゴールド
非日常的な彼女 [DVD]非日常的な彼女 [DVD]
鑑賞日:12月22日 監督:

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by stelaro | 2009-12-31 22:04 | コトノハ:cinema

鑑賞メーター:10月キロク。

10月の鑑賞メーター
観た本数:6本
観た時間:667分

崖の上のポニョ [DVD]崖の上のポニョ [DVD]
鑑賞日:10月02日 監督:宮崎駿
日本以外全部沈没 [DVD]日本以外全部沈没 [DVD]
鑑賞日:10月04日 監督:河崎実
日本沈没 スタンダード・エディション [DVD]日本沈没 スタンダード・エディション [DVD]
鑑賞日:10月09日 監督:樋口真嗣
魔女の宅急便 [DVD]魔女の宅急便 [DVD]
鑑賞日:10月10日 監督:宮崎駿
あらしのよるに スタンダード・エディション [DVD]あらしのよるに スタンダード・エディション [DVD]
鑑賞日:10月12日 監督:杉井ギサブロー
少年メリケンサック スタンダード・エディション[DVD]少年メリケンサック スタンダード・エディション[DVD]
鑑賞日:10月24日 監督:宮藤官九郎

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by stelaro | 2009-11-01 15:26 | コトノハ:cinema

「Dolls」

■ 2008/01/22 Tue 「Dolls」

いまさらながら、の感ありの
「Dolls」
では、あります。

つまり、にどめです。

北野武。

以前は、きちんと劇場で観ました。
ポスターの前でぼんやりしている写真が残っています。
(お人形ごっこがはやりました…そんな感じで、苦笑)
北野武は好きで、かなりちゃんと好きで
おかげさまで、劇場の椅子に背中をくっつけて、微動だにせず
けれど、こころここにあらず。

みたあと、その世界へ投げ込まれてかえってこない、それは
だいたい、訳もなくわたしの好きな映画に通じている傾向なのだけど
(いっしょに見るひとには迷惑な傾向では、ある。かなり、とても)
Dollsなんかの場合、そのトリップが
監督とか物語とかと全然一致しない乱暴さでおこなわれるところ、が
ほかの、やっぱり戻ってこられないお話、とは違うような気がしている。
物語に添っていって、シンクロして戻ってこない、ではないのだ。

しずかな音楽も展開も台詞も
しずかな顔をしているだけで、ほんとうは一方ちっともそうではなくて
「ひっつかんで、放り投げて、ねじふせる」。

そして、勝手にしている。
ものすごい哀しみなんかをどうどうと垂れ流して。
こっちがなにを思っても。
なにをわらっても。
痛がっても。

世界でもっとも美しい、「なにも持たないひとたち」よ。
残酷できれいで、哀しいところへ
いってしまった。

ただその乱暴な哀しさかげんに、二度目に触れたわたしが思ったこと。
もし、「しょうきをうしなった」として
せかいは
今このようにうつるように、わたしの目にうつるだろうか。
うつくしいものはそれでもまだ、
おなじようにうつくしく、思われるのだろうか。
感じられるんだろうか。

わたしの好きな、
あかの色とか、ひるがえるひかりとか、すける紅葉とか、
いろんなものもの。
奇しくも
「狂っちゃった、さわこ」の目がじっとみていた
あざやかなものたち。

暗くした、部屋の中で、
ブラウン管のひかりの前に座りながら。

そんなことを思った。



「Dolls」北野武脚本監督、2002年、日本、113分
あなたに、ここに、いてほしい。
菅野美穂、西島秀俊、三橋達也、松原智恵子、深田恭子
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by stelaro | 2008-01-22 00:18 | コトノハ:cinema

「うつせみ」

■ 2007/09/08 Sat 3:24 「うつせみ」

この映画をみてどれだけのひとがそう感じたかはわからないけれど
わたしは、とても幸福だった。
つめたくもあたたかくもなるブルートーン、
主人公のふたりのせりふは極端にすくない……というより、ないにひとしく
それでも、見つめているだけすこしずつ
彼らの生きている方法は
わたしのあたまのなかに映しこまれ、ゆっくりと溶けて
いつか、たぶん、
おなじ速さで呼吸をしている。

ただ、あいのことばだけが
ふわり、と口にのぼって
受けとめられたのがみえた。

たくさんたくさんの言葉を口に乗せ伝え電話を通し
怒りも愛撫も威嚇も、なんでもできる人々が
周囲をとりまいている、さまざまな感情、
けれどそのなかでもっともしずかないたわりでさえ
もっとも激しい号泣でさえ
ただ、ならんで座ったときのふたりの姿よりも
あたたかくて、そして今にもこわれやすそうにもろくて
危険にみちた、雄弁なものはひとつもなく。

雑音に満ちみちたせかいからぽっかりと
うきくさのように、ふたりのひとがうかびあがる。
淡くやわらかい頬と、無骨でひたむきな目。
せかいから消える瀬戸際のように生きている
その、ふしぎな生きのび方の方法。

それがもし、まぼろしだとしても。

壊れたCDプレーヤーを直す、その手のもちぬしを。
見知らぬ老人の遺体を清める、その手のもちぬしを。

おたがいによって、抱えられた頭を髪をなぜる手、
着られた髪のひとふさ、選ばれたやさしい色の服。
世の言葉でどう呼ばれても
それは、幸福ということ以外にはないのだと
ほほえみの余韻がのこる部屋で
わたしはぼんやりとかんがえる。

せなか側には、だれもいない。



data :
「うつせみ」キム・ギドク脚本監督、2004年、韓国・日本、88分
原題 : 「3-IRON」
私たちは永遠に、よりそう。
イ・スンヨン、ジェヒ
□第61回ヴェネチア国際映画祭 監督賞ほか全4部門受賞
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by stelaro | 2007-09-08 03:24 | コトノハ:cinema

「トーク・トゥ・ハー」

■ 2007/06/24 Sun 「トーク・トゥ・ハー」

久しぶりに、スペインの映画、
スペインの町並み、
スペインの風景。

この国は闇が濃い。(と、わたしは勝手に思っている)

あいのえいが、、、、です。

それは男から女へ、であったり
男から男へ、であったり
片方からだけの、であったり
断ち切れてしまった、であったり
女から女へ、であったり、
いろいろなヴァリエーションをもってはいるのだけれど
ともかく、ひっくるめて、「あいの」えいが。

……この監督さんはたくさんのあいのかたちをさりげなく
目の前に広げてくれるのがとてもうまいみたい、
というか、それをせざるをえないような。
オール・アバウト・マイ・マザーのひとだった。

私は、あまり俳優とか監督とかの名前をおぼえないでずっと生きてきたのだけれど
このウェブログをほそぼそ書くようになってきてから、たぶん無意識のうちに
だれがそれを創ったか、ということを感じ取るようになってきました。
読んでいるひとに最低限の情報くらいは、と最後にくっつけている
DATA、のおかげが大きいのは、まちがいない。

スペインの街は……バルセロナは
記憶のなかで、桃色と白とブルーでできている。
けれども、裏側に回ると、そこは、どこかざらりとしている。
砂ぼこりが少しイノチを持っているような、
ざらり。

それを心の中にももちこんで皆は生きて、息をして
孤独を感じて、
そのうらがえしのようにも
だれかを愛して、
失って、出て行って、舞い戻って

あらすじを日本の言葉で話すとこの物語はあんまりに
くだらないものへと貶められてしまう気がする。
だから私はなにもいえない、ただ
眠り続けるうつくしいひとを、毎日みつめてみつめてみつめて
そして語りかけつづける、他人から見れば無為とさえ言える毎日、
それが四年間分もつづいているということ、それを
「これまででいちばん幸福な日々だ」と言いきった男の
常識からはたぶんとっぱずれてしまった、でも、無垢とでもよびたいような
まっすぐにこちらをみている揺れないひとみを
少しだけ、うらやましいとさえ、思った。



data :
「トーク・トゥ・ハー」ペドロ・アルモドバル監督脚本、2002年、スペイン、113分
原題 : 「talk to her」
深い眠りの底でも、女は女であり続ける。
ハビエル・カラマ、ダリオ・グランディネッティ、レオノール・ワトリング、ロサリオ・フローレス
□ゴールデン・グローブ賞最優秀外国語映画賞受賞
□全米ナショナル・ボード・オブ・レビュー最優秀外国語映画賞受賞
□ヨーロッパ映画賞5部門受賞
□2003年アカデミー賞監督賞・脚本賞ノミネート
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by stelaro | 2007-06-24 02:20 | コトノハ:cinema

「ホテル・ルワンダ」

■ 2007/05/01 Tue 17:21 「ホテル・ルワンダ」

冒頭にきこえる音楽…子どもたちの歌声、を聞いてわたしは
きれいな音楽だね、と、言った。

そうして映画の最後に流れたその歌詞は、こんなようだった。

 「 わたしたちの上に太陽はいつ戻るのだろう
   誰がそれを とりもどしてくれるのだろう 」

……たとえばこの差が、私=東の国にすむ日本人と
映画のなかで繰り広げられるルワンダでの現実の差だ。

南アフリカ、と
アパルトヘイト、と
ツチ族とフツ族のあいだに起きた大虐殺、のことが
あたまのかたすみにあれば、たぶん
この映画が残りのことを、じゅうぶん補って
この平和な国のわたしたちは声がでなくなるだろう。
そこまで、迫るところへいけるだろう。

この虐殺があったとき、現実の私は小学生で
10歳にもなっていなかった、、、のだけれど
アフリカでたいへんなことが起きていることだけはよくわかっていた。
そのたいへんなことが、たくさんの人がどんどん殺されていること、なのも
よくわかっていた。

でもその先やその前のことは、ぜんぜんわからなかった。

さっぱりわからないなりに、新聞を読んだりしてみたけれど
どうして、「虐殺」が起きなくちゃならないのか、は
やっぱり全然わからなかった、、、
その後、国連高等弁務官になった尾形貞子さんの談話やら
黒柳徹子さんの「トットちゃんとトットちゃんたち」、
はたまた、難民にかかわるいくつかの話を読んでおぼろげながら
起きた事態がわかった、くらいのことでした。
からみあった民族の間の感情の、暴発のこと。

主人公になるホテルの支配人ポールは、殺す側の、フツ族です。
そうして、彼の奥さんは、殺される側の、ツチ族です。
……じゃあ、二人のあいだの、子どもは?

半分は互いの血が入っているから、事態はそれでも悲惨だそうです。
例えば、子どもが四人いたら、
二人は助けられるそうです。
そうしてあとの二人は、殺されるそうです。
例えば、子どものなかに大きくなった女の子がいれば
民族浄化、という題目のもとに、強姦されるそうです。
きのうまで子どもを抱き上げていた手で
ナタを持って、違う「ツチ族」の誰かのからだに頭に
それを、叩き込みに行く。

……ある日、そんなになってしまった世界のなかで
ホテルマンの彼は家族と、近所のひとたちを守ろうとして必死になり
彼の好きなホテルを守ってくれてきたひとを助けようとかけずりまわる。
「自分はフツだから外を歩ける、殺されない」というのが
彼の、たったひとつの拠るべき柱に思えた。
すごくか細いのに。
でも奥さんには笑顔を見せて。

はじまりはただの人だった。
正義の味方じゃない、大きな考えを持っていたわけでもない、
ただ、殺したくなかった、死なせたくなかった、殺されたくなかった。
守りたかった。

ひとつ、すごく新鮮だったことがある。
ひどく顰蹙をかうかもしれないけれど
それは
この映画に出てくるひとが、みんな黒人だということです。

いや、白人も出てくるのだけれど、それは
平和なホテルの泊り客としての「通行人」であって
ただの背景に近くあり。
ただ、存在を見せ付けるのは、彼らが
どんどん情勢の悪化してゆくルワンダから国外退去するとき、
ホテルに、支配人をはじめとして逃げ込んできた現地の人、子どもたち、
シスターたちの集団を残して、母国から「救助」にきたバスに乗り
雨のなか、ホテルを去ってゆくときだけだった。
なまえのない、ただ、
平和に守られている人の集団として。

二人だけ、顔のある人がいた。
それは虐殺に、暴動に巻き込まれていく人、
国連から派遣されてホテル近くにいた軍人と、
NGOの活動なのか孤児院で働いていた女の人。
でも彼らは、顔があるから、カラーズでなくても、平和のなかには行けない。
「平和維持軍だから」襲撃されても手を出せないなんて
クソヤロウだ、と絶叫とむしりとって叩きつけたベレー帽や
赤ちゃんはみんな殺されてたわと言うときの、よごれた金髪、

それをたぶん、友人として頼ったり愚痴ったりなぐさめあったり
ただ、かなしげに見下ろしていたりする、ポールと彼ら。
つねにつねに、
憎しみじゃないところから。
とても深くてくろぐろとした、なにかの湛えられた目。

それは、国というものを、いっそ理不尽に思えそうな
一連の風景でした。



data :
「ホテル・ルワンダ」テリー・ジョージ監督脚本、2004年、南アフリカ・イギリス・イタリア、122分
原題 : 「HOTEL RWANDA」
「愛する家族を守りたい。」
ただ1つの強い思いが、1200人の命を救った…。
ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ホアキン・フェニックス、、、
2004年アカデミー賞、主演男優賞・助演女優賞・脚本賞ノミネート
2004年度トロント国際映画祭、観客賞受賞
2005年度ゴールデン・サテライト賞(ドラマ部門)
 作品賞受賞/主演男優賞受賞/オリジナル主題歌賞受賞
ほか
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by stelaro | 2007-05-01 17:21 | コトノハ:cinema

「問題のない私たち」

■ 2006/11/30 Thu 「問題のない私たち」

画面をちらりと覗いた家人が、暗い話が好きだね、と、言った。

暗いかね。
暗いかな。

女子高生(または「こどもたち」)のリアル、を
知っているような知らないような見たくないような
または、テレビの向こう週刊誌の中のトピックスにしておきたい人には
きっと、これらは暗い話なのだ。
または、とてもあかるくてあたたかな10代を送ったか
全部を忘れることに成功した大人にとっては。

映像で描かれるリンチ、とかビジュアル的にカゲキなかたちをとらなくとも
ああこういうことがあったよと思う私には
暗い、の前に、ほんとだ、がくるから
断片的にはさまれる夏の青い空が自分の記憶とだぶっちゃったりして
すでになかば既視感に近かったりして。

……そういうのも、そもそも、暗いですか。(苦笑)

女の子ばかりの学校の1クラス、の中の
ひとりの女の子の春から秋を描いた話、
……なんて言ったらもうそれはとても
無邪気で陰湿で暗くてかわいい、でしょう?

あなたはこのリアルをじぶんのなかに
見つけることが、できますか。
あるいは、もう消化しましたか、それとも
知らずにここまで生きてきましたか。
忘れましたか。

わたしはぐしゃぐしゃに歪んだ青空と流れる雲のなかに
それを、凝り固まった核みたいにとじこめていて持っている。
マイナスでもプラスでもなく
ただ、その核はきれいにできた塩の結晶のように四角くとがっていて
そして目が痛くなるくらい、白いのだ。

悪態に満ちた手紙も
この長すぎる髪を切られそうになったことも
だれも誰も信じなかったことも
大人は見ているだけで見てはいないと知ったことも。
私には、この映画の主人公のように、助言をしてくれるまりあはいなかったので
仕方ないから一人で学んだ
自分がしたいろんなことはバカバカしいということも。
そうして、そのバカバカしいことを
二十歳になろうともくりかえすバカバカしい人がせかいにはちゃんと
たくさんたくさん、いることも

みんなみんな知っていて
知ってみても特に変わらず

死ぬ勇気なんてありえないし生きる勇気もいらない
そんなタイギメイブン、よりも
死なないでいる息の長さみたいなものが大事なような気がする
ひっそりと、ふかく長く、息を吸って、吐く、こと。
心臓を動かすこと。
そうしないと
たとえば10年後に笑うことはできないので。

シビアであかるくて砂糖菓子みたいで過酷な
それは10代の「こどもたち」の、毎日だったし
毎日なのだと、思う。
どんなちいさなカケラにもひそむ、とがった角と、あかるい側面。
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by stelaro | 2006-11-30 00:38 | コトノハ:cinema

「トンマッコルへようこそ」

■ 2006/11/04 Sat 「トンマッコルへようこそ」

最近気がつくと韓国映画ばかりみているかもしれない、
あるいは、アジア。
出会ったところや拾ってくるところは思い出せないけれども。
なぜか、センサーに絡みついてはなれないものたち。

ふかい映画です。
それは、奥が深い、というよりも
ただあらゆる要素がこのなかにつまっていて
ほほえみとかユーモアとか怒りとかかなしみとか
悪い夢もぬくもりもなつかしさも血も恨みも
めくってもめくっても次々にあらわれて
そうして、まるごとひとつのかたちを成して、ずしりとこころにぶつかる。
ここにいる、わたくしに、ぶつかる。
……たとえば、そういう、ふかさです。

ものすごくきびしい映画です。
かなしみの映画です。
それをつつみこんで、あかるい色とふわりとした花とみどりと
なにより素朴すぎて笑顔になっちゃうしかない、ひとびとの顔とことばとが
暗さを暗さだけで終わらせず
きびしさに眉根を寄せさせないだけの力を
もっているんだなあ、これが。

……と、ことばにするとつまんないね。

誰かの人生を深くまでいっぱい見てきてしまったよな、
出てきた誰かを本気で好きになりかけちゃったよな、
そんな、手で触れそうな想いを
じぶんのなかに、見ました。
くらくらするくらいに。

草すべりのシーンがとても好き、
そのあとに続くよみがえりの悪夢の光景までも、含んで。
あおい空の下で、過去の悪夢はおだやかにひろがり
今につづいているのでしょう。
それと同じように、
赤くもえひろがる炎や殺風景な瓦礫のなかで
やさしい思いはいつまでも、あたたかく息をしているのでしょう。

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by stelaro | 2006-11-04 21:15 | コトノハ:cinema

「NANA」

■ 2006/06/09 Fri 「NANA」

ええと、笑いの方向に弾けていない下妻物語、かな?

……などというと、たぶん誰かから殴られそうだけれど。

コミックスの「NANA」はね、読んでいません。
矢沢あいは、「天使なんかじゃない」から
絵柄がついていけなくなり、読むのをやめてしまい
そのあと、手にとっていないのです。
……でも、いい話だというのは、知っている。
どうしてかわからないけれど、知っている。
(だからもともと矢沢あいはいい話を描くんだよ!<?)

あとからぼんやり想起すると、要所要所がやはり「少女マンガ」でした。
ヴィヴィアンウエストウッドが光っていました。
宮崎あおいの笑顔があんなにツクリモノに見えたのは初めてでした。
小樽の倉庫街では暮らせないよなあと思いました。
いちおう脇役(?)のドラムスのお兄ちゃんが素敵すぎました。
あの脇の最前列はめちゃめちゃ顔がわかりやすい位置です。

……と、いろいろ雑音は入るのだけども

たとえば下妻で桃子×イチゴがそうであったように
ナナ×ハチの、この
女の子にしか作りえないだろうなと思う恋人みたいな友達関係、
適当にクールで適当にひとりっきりで、ものすごく密度の濃い「ふたり」と
それから中島美嘉の奏でるオンガクのかっこよさで
私は全部を良しとします。

たとえばなんだか仕事で疲れて真夜中で
そこらじゅううらさびれてげっそり疲れて
何かあたたかいものでも飲みたいようなのにお店は軒並み閉まってて
お財布の中には五千円札しかないし、だいいちもう6月中旬だから
自販機はみんなキンキンに冷えていてどうしようもなく寒い、みたいな
そういう、なんだよこれ!という晩に(つまり今日?)
駅のシャッター前であまり上手じゃないギターを抱えて
お兄さんが二人歌っているのを見たとき
それに誰も立ち止まりゃしないのにギター抱えて
冷たいタイルにふたりで座って歌っているのを見たとき
なんとなく
あの眩しすぎるライトの中と外と、大音響と、声と、狂うくらいハッピーな気分が
がががっと心によみがえってきて、白い部屋でナナが、シャウトして、

ああ、オンガクって大事かもしれない、と。

その気持ちだけでどうにか家に帰って来られた身には
もう何も言うことはない。

すべてのライトに、乾杯。



data :
「NANA」大谷健太郎監督、2005年、日本、114分
原作 : 「NANA」矢沢あい、集英社
夢を歌う。
夢に恋する。
そして、二人は夢を奏でていく。
中島美嘉、宮崎あおい、成宮寛貴、松山ケンイチ、松田龍平
2005年日本アカデミー賞主演女優賞:中島美嘉
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by stelaro | 2006-06-09 02:11 | コトノハ:cinema