スティルライフ, I follow the sun

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鳳仙花、二月

雪の降っていることを知らないでもいい
あたたかい白い三階建てのビル、から出てゆく。
ただ雪ということがうれしかったから、ぼくは
傘を忘れてよかったと思った。下から見上げると灰色に見える雪つぶて
髪の毛をすべり鞄にとどまる
三階のあの部屋のあの窓から下の世界を見下ろしたら、きっと
映画の1シーンみたいだったろう。

すべるように交差し行き交う人たちのなかでぽつんと
朱いコート着た「someone」が
くっきりと上に両腕をのばしわらっている、風景。
あのつめたい花はいくらも落ちてその絵を飾り
ぼくはかじかんだ指先をくちびるで噛む。
白い手の先にうっすら染まる爪先で雪のひとかけらをつまんで

凍る手に、ふりかかる氷の筆先

紅い花の、咲くような気がした。
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by stelaro | 2006-02-05 02:57 | コトノハ:呟