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スティルライフ, I follow the sun

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「子猫をお願い」

■ 2005/04/15 Fri 22:32 「子猫をお願い」

都会の野生児、
少女たちのスタンド・バイ・ミーは
孤独で過酷

悲劇が起きても、王子様はこない
冒険をしてみても、ヒーローとは呼ばれない
ばらばらとなにかがほどけていくような不安感のなかで
ちらばっていく光、
すくすくと月日が伸びていく

当然のように煙草をくわえて煙を吐き
壜からビールをラッパ飲みする
決して大人たちに隠れた冒険などではなく
もっと堂々と、誰に止められることもない、
ただ戸惑っているのはここにあるこの身体自身であるということが
昼間のぶらぶら歩きや、
もう制服ではない黒いスーツや、
厭わしくても脱ぎ捨てられない貧しさや家族やそれぞれの事情や
念入りに描いたメモなんかに
やんわりとからみついていること

今にも落ちてきそうで
それでも落ちてこなくて
でも
誰も支えてはくれない、たわんだ天井の下
「わたし」たちが外を見ている
ハッピーバースデーのケーキを囲んで抱き合い踊りながら
ののしり嫉妬し笑いころげメッセージを送りあい
きっと明日もいっしょにいる

線路沿いに夢とか冒険を探しに行った少年たちより
ずっと深く埋めがたい何かで断ち切られてしまったまま
手をつなぎ
そこにいる誰かを
いとおしいと思い

ペ・ドゥナの眼差しが好きです
みじかく切られたままの髪が
その年に不釣り合いに、そのおもざしに釣り合って、
しんとしずまりかえりながら、つめたい風に吹かれる
青い空気まで見えるような気がして



data :
「子猫をお願い」チョン・ジェウン監督、2001年、韓国、112分
英題 : Take Care of My Cat
二十歳の春。何だってできる、どこにだって行けると思っていたあの頃…
ペ・ドゥナ、イ・ヨウォン、オク・ジヨン、イ・ウンシル、イ・ウンジュ
第31回ロッテルダム国際映画祭・KNF賞Special Mention
第11回ドイツ・フェミナーレ女性映画祭・デビュー賞
第6回釜山国際映画祭
  「新しい波」部門Special Mention・アジア映画振興機構(NETPAC)賞
2001年今年の女性映画人賞(チェン・ジェウン)・女性映画人賞演技賞(ぺ・ドゥナ)
第6回女性観客映画賞女性観客天下賞(女性観客が選んだ今年最高の韓国映画)
by stelaro | 2005-04-15 22:32 | コトノハ:cinema