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水沼家のお茶菓子

■ 2005/03/24 Thu 22:41 「水沼家のお茶菓子」

いつかのぞいてみようと思っていたお店が
閉店セールをしていた
輸入物のお菓子がたくさんならんでいるお店で
店頭には、ビッテルの透明なペットボトルが
ずらりとならんで壮観だったこと
いつか、いつか入ってみようと思っていたのだけれど
本日にて閉店と、そんな文字が躍っているから
さいごのさいごに寄ってみる

そこでみつけたお菓子のひとはこ。

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アナズのクッキー、スイスのメーカーです。

江國香織の書いた「薔薇の木、枇杷の木、檸檬の木」を
ぼくはけっこう好きなのだけれど
そのお話の中で、主人公のひとりの陶子の夫、水沼さん……
背が高くてスーツが似合って、ネクタイをとてもきつく結ぶので
ねじれてしわが寄ってしまう、元古地図研究会の夫……
このひとには、アナズのクッキーについてのエピソードがくっついているのだった。

いわく、
アナズジンジャーシンズは水沼の「気に入り」で
陶子はいつもそれを台所の棚にストックしておくことにしている
……そんな話。

アイスティーを入れるのが上手な夫が
まめに入れてくれるアールグレイのミルクティ
こまかく砕いた氷のうえに注ぐ濃いめの紅茶とたっぷりのミルク、
気に入りのアナズジンジャーシンズに
ゆるくたてた生クリームを添えるのが水沼のやりかただ、という描写。

「水沼さんの入れてくれる紅茶はすごくおいしい。」

……もっとも、陶子自身は、この水沼の入れてくれるお茶よりも
黄色いティーバッグで入れる紅茶がいちばん好き、だったりするのだけれど。
(このあたりのさらっと自然なずれぐあいが、江國さんの
リアルで怖くてかなしいところなんだよねといつも思います)

そんなわけでアナズのクッキー、
ぼくの買ってきたのはレモンのフレーバーのやつで
並んでいたほかの箱にも、ジンジャーの文字はなかったから
それそのものを味わっているのとは違うけれども。

箱をあけてみたら
出てきたのは思いのほか可愛いかたちのクッキーで
あの水沼さんがこんなものを持っている姿を思って
なんだかくすくすと笑ってしまいたくなった。
薄くぱりぱりと砕けるクッキー、
表面にこまかく砂糖のつぶが浮いていて
もう一枚、
はちみつ入りのコーヒーと一緒に夜中にかじる。
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by stelaro | 2005-03-24 22:41 | 点景、スロウデイズ、紅茶時間