■ 2005/02/12 Sat 11:22 「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」
子どもの力で十分なことなんて数少なすぎるのだけど
それでもたくさんの背伸びをしたりする
それこそが等身大ということなのかも知れない
勇気に満ちていて卑怯でずるくて聞き分けができなくていっしょうけんめいだった
たくさんのことが手におえないままきらきらしていた日のこと
世界をかたまりのまま受けとっているころ
ぼくはぼくなりの理屈でものごとをやりくりしていたが
それはあんまり個人的すぎて誰にもそのままでは通じなかったんだよ
しっかりとは判ることのできないまま遠く遠くに運ばれていく
ぼんやりとながめているあっちこっちから
勝手に垣間見て感じとってしまった残酷さのかけらはいたいたしい
少しずつ行きすぎてしまったところに生きている人とか
今までと違うものにジャンプしてしまった人とか
変化しつづける全部のものとか
気がついたら置いていかれた瞬間とか
したたるみどり色やほっこりとつもった白の雪はぜんぶをつつむので
世界はこんなふうにできていてよかったと思う
ニンゲンだけだったら到底やっていけなかったか知れないとがった事象も
それなりの時間ややわらかさのなかに溶かしていってくれるので
冬を越えて夏になったら同じ日にもちがうことが重ねられるように
それでも、同じ夏であるように
data :
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」ラッセ・ハルストレム監督、1985年、スウェーデン、102分
原題 : MITT LIV SOM HUND
アントン・グランセリウス、メリンダ・キンナマン、マンフレド・セルネル、アンキ・リデン