ほとんど、水平飛行のないフライトです。
うみのうえをゆく。
みどりのあお。
曇り空なのに海が
こんないろなんだね、って
口に出して言った。
うしろのほうの席で、男の子が
「ジュゴン!ジュゴン!」てなんかいもなんかいも
言っていた…いいえあれは飛行機の高さからみえる波頭の白
だけど、ほんとにあんなにジュゴンが泳いでいたら、すごいね。
あの、温和ないきものがたくさんいるなら、そこはきっと
とてもおだやかで平和な海だね
ニライカナイに近いような。
かみさまが歩いているような。
…そんなような、
みじかいけれど、たくさんの色のついた
もっととおくへいくためのとびかた。
もらった少し苦いお茶をのみながら
小さい窓の外をたくさんたくさんみた。
コドモみたいなことか知れないけれど、
飽きないこととか、写真に焼きつけたいなとおもうのが
うれしかった気がする。